昨日は笹川翼騎手を取り上げましたが、もう1人の南関東トップジョッキーの矢野貴之騎手について取り上げたいとおもいます。こちらの方がトップジョッキーだと認識している方の方が多いかもしれないですね。重賞にも強く、人気馬に乗ることもとても多いジョッキーです。ただ、どう狙っていくのかとても難しい印象のある騎手でもあります!矢野貴之騎手の狙いどころと軽視できる時を検証してみたいとおもいます。
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まとめ
先に結論です。矢野騎手は、賞金が高いレースに照準を合わせて乗っている騎手です。とくに賞金が高いレースで人気がない時の矢野騎手は、賞金が低いレースとは別人なので要注意。
- 賞金の高いレース(1着賞金1000万円以上)で4番人気以下:単勝回収率249.0%・複勝回収率95.6%(それ以外のレースの4番人気以下 86.5%・72.4%/3年)→ 要注意
- 2〜3番人気:単勝回収率60.8%(全馬74.1%)→ 軽視
- 1〜3R(最初のレース):単勝回収率53.6%(全馬65.8%・3年とも下)→ 単勝では狙えない/9〜11R(メイン付近):単勝回収率105.8%(全馬69.7%)→ 買い
- 予想タイム指数5位以下:単勝回収率91.3%(全馬62.5%)→ 全馬を上回るので狙える/前走10着以下:単勝回収率34.1%(全馬62.2%)→ 軽視
- 前走3コーナー8番手以下・追込の馬:単勝回収率120%台(全馬60%台)→ 要注意
- 1500m以上:単勝回収率96.8%(全馬68.3%)→ 得意
※データは地方競馬の直近1年(2025年9月29日〜2026年9月28日)。賞金の話だけは3年と5年でも見ています。回収率は100円ずつ買ったときの払戻の合計÷購入額、「全馬」は同じ条件の地方の全部の馬です。
ベタ買いと人気別
まず、矢野騎手をベタ買いした時の回収率ですが、単勝と複勝の回収率は共に80%弱となっており、昨日の笹川騎手よりは若干狙いやすい回収率とはなっています。とはいえ、ベタ買いでは到底儲からず、取捨選択が大事になってきますね。
ここ1年の傾向として、人気別の回収率では、1番人気と2,3番人気で明確に回収率が違います。これはトップ騎手になるとこういう傾向が出る騎手は結構いますので、1つのパターンと言ってよいですね。つまり、注目されすぎている騎手であり、なおかつファンもどういう時は来て、どういう時は来ないかという取捨選択がでてきているということですね。ということで、1番人気にならなかった場合、ファンからはある程度もう見切りをつけられているということは言えると思います。
全体は単勝回収率78.9%・複勝回収率78.9%(全馬68.0%・70.3%)。1番人気は単勝回収率78.9%で全馬(80.9%)並み、2〜3番人気は単勝回収率60.8%(全馬74.1%)まで下がります。

賞金が高いレースに照準を合わせている
ひとつの仮説として、矢野騎手は賞金が低い時と賞金が高い時でパフォーマンスがちがうのかもしれないと思い、調べてみました。これが今回いちばん大事な話です。
1着賞金1000万円以上のレース(ほとんどが重賞)とそれ以外で比べると、直近1年は単勝回収率246.2%・複勝回収率95.9%(それ以外のレース70.5%・78.0%)。3年でも187.9%・89.7%(それ以外76.8%・78.3%)、5年に広げても146.8%・85.9%(それ以外74.4%・76.7%)と、同じ傾向です。1年ずつ見ても、賞金の高いレースの複勝回収率は5年とも毎年、全馬を上回っていました。

人気別に見ると、差が出ているのは4番人気以下です。賞金の高いレースの4番人気以下は3年で単勝回収率249.0%・複勝回収率95.6%、それ以外のレースの4番人気以下は86.5%・72.4%で、まるで別人です。東京大賞典(7番人気・単勝7,730円)や報知グランプリカップ(7番人気・単勝6,060円)もここに入ります。
つまり、賞金が高いレースでは人気がない時こそ要注意です。
最初のレースは狙えない(レース番号別)
レースの番号をみると、メインレース付近の方が回収率が高く序盤は回収率が低い、メインレースに照準を合わせて来るタイプなのかもしれません。
1〜3Rの単勝回収率は53.6%(全馬65.8%)。3年でさかのぼっても60.4%(全馬67.2%)で、3年とも毎年、全馬を下回っていました。最初のレースの矢野騎手は、単勝では狙えません。一方、9〜11Rは105.8%(全馬69.7%)、3年でも102.1%(全馬71.5%)で、3年とも毎年、全馬を上回っています。なお最終の12Rも33.5%(全馬65.9%)と低めです。

レースの格で見ても、地方の重賞や、それに準じるレースの回収率が高く、重賞で穴をあけるタイプと言えそうです。こうしたレースは直近1年で単勝回収率177.7%・複勝回収率103.3%(全馬70.0%・74.7%)、3年でさかのぼっても179.0%・107.3%(全馬67.8%・70.1%)で、複勝回収率は3年とも毎年、全馬を上回っていました。

弱いと見られている馬を腕で持ってくる
予想タイム指数とは、馬王Zというソフトについている指数の順位です。スピード指数を進化させたようなもので、1位だと概ね一番能力があるとされる馬になります。ただ、この指数は誰もが見られるものではないので、あなたがこの指数を使って予想できるわけではありません。ここで見ているのは「これまでの戦績から見て能力が高いと評価できる馬が、買えるのか買えないのか」ということです。予想タイム指数の上位は「これまでの戦績で上位に評価できる馬」と読みかえてください。
予想タイム指数では昨日の笹川騎手と違い、前走好走している馬の回収率はそんなに良い訳ではないし、負けている馬で回収率が高い(負けすぎている馬はダメ)、予想タイム指数にしても、強い馬に乗っても回収率が高い訳ではなく、弱い馬をもってきて穴にしているのが笹川騎手と大きく違うところ。好走している馬を必ず持ってくる力よりも、矢野騎手の腕で持ってくるパターンがある。
前走1着は単勝回収率58.8%(全馬72.0%)、前走4〜9着は94.6%(全馬67.0%)、前走10着以下は34.1%(全馬62.2%)です。

予想タイム指数1〜4位は単勝回収率71.3%(全馬76.5%)、5位以下は91.3%(全馬62.5%)。笹川騎手とはちょうど逆です。

前走で後ろにいた馬・追込の馬を腕で持ってくる
矢野騎手が特徴的なのは、前走後ろになった馬、脚質が追込の馬は狙える、要注意です。
前走の3コーナーを8番手以下で回った馬は単勝回収率125.8%(全馬63.5%)、予想脚質(これまでの成績から独自に算出した脚質・レース前の想定)が追込の馬は127.3%(全馬60.7%)です。


1500m以上が得意
距離は短距離より、1500メートル以上が圧倒的に得意です。
1500m以上は単勝回収率96.8%(全馬68.3%)、1500m未満は65.5%(全馬67.8%)です。

まとめ
矢野騎手は、賞金が高いレースに照準を合わせて乗っている騎手です。とくに賞金が高いレースで人気がない時の矢野騎手は、賞金が低いレースとは別人なので要注意。
- 賞金の高いレース(1着賞金1000万円以上)で4番人気以下:単勝回収率249.0%・複勝回収率95.6%(それ以外のレースの4番人気以下 86.5%・72.4%/3年)→ 要注意
- 2〜3番人気:単勝回収率60.8%(全馬74.1%)→ 軽視
- 1〜3R(最初のレース):単勝回収率53.6%(全馬65.8%・3年とも下)→ 単勝では狙えない/9〜11R(メイン付近):単勝回収率105.8%(全馬69.7%)→ 買い
- 予想タイム指数5位以下:単勝回収率91.3%(全馬62.5%)→ 全馬を上回るので狙える/前走10着以下:単勝回収率34.1%(全馬62.2%)→ 軽視
- 前走3コーナー8番手以下・追込の馬:単勝回収率120%台(全馬60%台)→ 要注意
- 1500m以上:単勝回収率96.8%(全馬68.3%)→ 得意
人気で飛びつくのではなく、賞金の高い大きなレースで人気のない時に矢野騎手の腕が出る場面を待つのが、矢野騎手との付き合い方になりそうです。
補足:賞金の高いレースを1年ずつ見ても同じか
「たまたま大きな配当が1回あっただけでは?」と思った方のために、この5年を1年ずつに分けて、1着賞金1000万円以上のレースとそれ以外のレースで、矢野騎手の回収率を同じ時期の全馬と並べました。
▼ 矢野貴之騎手が乗った馬だけを数えた表です(地方全体・単勝回収率/複勝回収率)
| 時期 | 賞金の高いレース | それ以外のレース |
|---|---|---|
| 2025年9月〜2026年9月(61騎乗) | 246.2%/95.9%(全馬74.5%/67.3%) | 70.5%/78.0%(全馬67.9%/70.3%) |
| 2024年9月〜2025年9月(50騎乗) | 60.2%/104.2%(全馬69.6%/67.7%) | 84.6%/82.0%(全馬69.0%/70.0%) |
| 2023年9月〜2024年9月(55騎乗) | 239.3%/69.6%(全馬61.4%/60.6%) | 74.6%/74.4%(全馬70.2%/70.5%) |
| 2022年9月〜2023年9月(52騎乗) | 127.5%/87.1%(全馬43.2%/55.1%) | 64.6%/73.6%(全馬71.3%/70.7%) |
| 2021年9月〜2022年9月(56騎乗) | 43.0%/73.6%(全馬54.7%/62.2%) | 76.9%/75.4%(全馬70.1%/71.4%) |
賞金の高いレースの複勝回収率は、5年とも毎年、同じ時期の全馬を上回っていました。単勝回収率は大きな配当に左右されるので年によって上下し、2024年9月〜2025年9月と2021年9月〜2022年9月は全馬を下回っています。それでも5年まとめると単勝回収率146.8%で、賞金の高いレースに強いという向きは変わりません。
矢野騎手は、「賞金が高いレースか」と「最初のレースか」の2つを見るだけで、狙う場面と見送る場面がはっきり分かれます。矢野騎手が乗るというだけで飛びつかず、この2つを見てから決めるだけで、同じ矢野騎手の馬でも回収率に大きな差がつきます。
こうした騎手ごとの攻略法は、私が馬王で先に調べたうえで、このブログに順番に書いていきます。今回の記事を読んでどんな感想を持ちましたか?質問やご感想をXのリプでおまちしております。
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