初めましての方、こんにちは!毎週150万円の実弾を馬券に突っ込む男、横けんです。
このページは、私が3年かけて作ってきた自作の競馬予想AIについて、これまで書いてきた記事を1本にまとめた総まとめです。「競馬AIを作ってみたい」「市販のAI予想がなぜ当たらないのか知りたい」という方は、ここを入口にしてください。
先に、この記事でずっと繰り返すことを書いておきます。「これ1つで回収率150%」という魔法の指標は存在しません。私がやっているのは、地味に効く小さなサインを何百個と束ねて、トータルで100%の壁を越えにいくという、ひたすら根気のいる作業です。現在、AIに読ませている項目(特徴量)は3,784列あります。派手さはありませんが、これが一番確実だと確信しています。
この記事の要点(先に結論)
- 「これ1つで回収率150%」という魔法の指標は存在しません。地味に効く小さなサインを何百個も束ねて、トータルで100%を超えにいくのが現実的な道です。
- 現在AIに読ませている項目(特徴量)は3,784列。3年かけて積み上げたものです。
- 市販の競馬AIが儲からない最大の理由は「1着を当てにいっている」から。競馬の控除率は約20〜25%あるため、当たるだけでは負けます。
- 予測させるのは着順ではなく確率。それをオッズと突き合わせて期待値で買う馬を決めます。
- 良すぎる数字は、まず疑う。実際に「回収率122%」がリークで76%に崩れた例があります。数字より「どう測ったか」が100倍大事です。
初回公開: 2026年7月29日 / 最終更新: 2026年8月4日。本文の数字はいずれも筆者が自分で集計した実測値です。
なぜ市販の競馬AIでは勝てないのか
私のサイトで一番検索されているキーワードは「競馬AI 当たらない理由」です。これだけ多くの人が同じ壁にぶつかっている。
理由をひと言で言うと、市販のAIの多くは「どの馬が1着になるか」を当てにいっているからです。競馬は控除率がおよそ20〜25%あるギャンブルなので、「よく当たる」だけでは確実に負けます。人気馬を当て続けても、払戻が安ければ資金は減っていきます。
さらに、AIが学習に使っているデータそのものに問題があることも多い。詳しくはこちらで書きました。
何を予測させるのか — 着順ではなく「期待値」を追う
ここが設計思想の核心です。私のAIが出しているのは順位ではなく、各馬が勝つ確率・3着以内に来る確率です。その確率とオッズを突き合わせて、「オッズの割に来すぎている馬」=期待値の高い馬を探します。
ただし、これも単純ではありません。「期待値1位を買えば儲かる」なら誰も苦労しない。実際には期待値1位が一番おいしいとは限らず、単勝と複勝でもまるで性質が違います。私は単勝だけの勝負に限界を感じて、複勝を軸に組み替えました。
- 競馬予想AIで期待値1位を買っても儲からないのはなぜ?高回収率の裏側
- 競馬予想AIで回収率を劇的に上げる方法!単複勝負が限界を迎えた理由
- 単勝全敗から気付いた真実。「複勝期待値」で3着に来ない馬を見抜け
特徴量の作り方 — 「地味に効く」を何百個も束ねる
特徴量とは、AIに読ませる材料のことです。前走の着順、上がり3ハロン、騎手、調教の時計、枠順、血統……といったものを数値にして与えます。
ここで多くの人がやってしまうのが、「1つで劇的に効くファクター」を探すことです。私も昔はそうでした。でも、そんなものがあれば市場が先に見つけて、オッズに織り込まれて消えます。
だから私の方針は逆です。単体では回収率を1%も動かさないような、地味だけれど「他と重なっていない」サインを、何百個と積み上げる。1本1本は弱くても、独立した信号を束ねれば全体は強くなります。
逆に、やってはいけないことも身をもって学びました。競馬新聞の印をそのままAIに学習させたら、収支が崩壊しました。AIは楽をしたがるので、印という「他人の答え」があるとそれに寄りかかって、自分で考えなくなるのです。
実際に効いた例を1つ挙げると、レース前に公開される厩舎コメントです。18,430レース分をAIに読ませて数値化したところ、「そのレースで陣営が一番強気な馬」の複勝率は43.7%(未勝利戦全体は21.0%)でした。派手ではありませんが、これも束のうちの1本です。
- 「人気薄なのに陣営だけ強気」な馬は買いなのか|18,430レースの厩舎コメントをAIに全部読ませた結果
- 「AIは楽をしたがる」競馬予想AI開発の落とし穴。競馬新聞の印を学習させた結果、収支が崩壊した理由
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- 「パドック診断」をデータ化してTARGETで集計してみた
- 騎手予想は儲かるの?TARGET全集計で判明したトップジョッキーの真実
検証の作法 — 良すぎる数字は、まず疑う
ここがこのページで一番読んでほしいセクションです。
新しいサインを試して「回収率122%」なんて数字が出たら、普通は喜びます。私は逆に身構えます。長年やってきて分かったのは、良すぎる数字のほとんどは実力ではなく、バグかリーク(AIがうっかりレース結果を先に見てしまっている状態)だということです。
実際に私が自分で見つけて、自分で捨てた数字を3つ挙げます。
- 回収率122% → 76%。同着だった馬の並べ方が、たまたま着順データの並び順に依存していました。順位をつける段階でこっそり答えを覗いていたわけです。たった1か所直しただけで、必勝法は崩壊しました。
- 回収率102%(黒字) → 71%(赤字)。オッズをざっくり平均で概算していたのが原因。JRA-VANの実際の払戻データで計算し直したら、本当は毎週お金が減る買い方でした。
- 「成績が悪化した」→ 実は誤り。あるモデルが先週より悪くなったというデータが出て、原因の特徴量を抜こうとしました。ところが同じ条件の12,645頭で新旧を公平に直接対決させると、新しい方が同等以上でした。危うく良いデータを自分で捨てるところでした。
数字そのものより、その数字がどうやって測られたかのほうが100倍大事です。詳しい経緯はこちらに書きました。
予測値を、実際の予想印と買い目に落とし込むまで
AIが確率を出しても、それだけでは馬券になりません。◎○▲の印をどう決めるか、いくら賭けるかまで設計して、はじめて実弾が張れます。
私は本命(◎)を的中率ではなく回収率で選んでいます。よく当たる馬を本命にすると、気持ちはいいのですが儲かりません。また金額配分も機械的に決めています。回収率120%のロジックを持っていても、賭け方を間違えれば全額失うからです。ここは予想精度と同じくらい重要なのに、驚くほど語られていません。
AIの使い方と、「AIを疑う」工程
開発そのものにもAIを使っています。コードを書かせ、検証を回させ、データを集めさせる。人間なら丸一日かかる作業が数十分で終わります。
ただし、AIが出してきた結果をそのまま信じることは絶対にしません。賢いAIほど、間違えるときも「もっともらしい顔」で間違えるからです。実際、私のAIは複勝のルール(7頭以下のレースは2着までしか払い戻されない)を取り違えて、汚れた数字を平然と報告してきたことがあります。
そこで私の開発現場は二段構えにしています。実務を担当するAIが大量に作り、それとは別の上位モデルが「本物か、まぐれか、答えを覗いていないか」を審査する。この門番がいるから、安心して次のサインを探しにいけます。
これから作るもの
いま取り組んでいるのは、新しい「情報源」を増やすことです。特徴量の本数を増やすことが目的ではありません。すでにある材料をこね回しても、それは同じ情報の焼き直しにしかならないからです。
直近では、レース前に公開される厩舎コメント(陣営の話)を、AIに全頭ぶん読ませて数値化する作業を進めています。人間が毎週何百頭ぶんも読んでブレずに採点するのは不可能ですが、AIならできます。この先は調教、そして映像へと広げていく予定です。
進み具合は毎週の収支報告のなかで正直に公開しています。うまくいった週も、大きく負けた週も、金額をそのまま出しています。
まとめ
競馬AIで勝つために必要なのは、天才的なひらめきではありません。良すぎる数字を疑って片っ端から叩き潰し、生き残った地味なサインだけを積み上げていく作業です。
私は今日も、自分が見つけた「儲かりそうな数字」を疑うところから始めています。偽の必勝法に騙されないこと。それが、長く勝ち続けるための一番の近道だと思っています。
この記事に出てくる実測値の一覧
本文で触れた数字を1つの表にまとめました。いずれも筆者が自分で集計したもので、詳しい測り方は各記事に書いています。
| 項目 | 数字 | 補足 |
|---|---|---|
| AIに読ませている特徴量 | 3,784列 | 3年かけて積み上げた現在値 |
| 厩舎コメントを読ませたレース数 | 18,430レース | レース前に公開される陣営の話を全頭ぶん数値化 |
| 「陣営が一番強気な馬」の複勝率 | 43.7% | 未勝利戦全体は21.0% |
| リークで崩れた回収率 | 122% → 76% | 同着の並べ方が着順データの並び順に依存していた |
| 払戻の概算で崩れた回収率 | 102% → 71% | JRA-VANの実払戻で再計算したら赤字だった |
| 新旧モデルの直接対決に使った頭数 | 12,645頭 | 同一条件で比べたら新しい方が同等以上だった |
| 競馬の控除率 | 約20〜25% | 「当たるだけ」では負ける理由 |
よくある質問
競馬AIを作れば本当に勝てるようになりますか?
「これを入れれば回収率150%」という魔法の指標は存在しません。もしあれば市場が先に見つけて、オッズに織り込まれて消えます。筆者がやっているのは、単体では回収率を1%も動かさないような地味なサインを、何百個も束ねる作業です。現在の特徴量は3,784列あります。派手さはありませんが、これが一番確実だと考えています。
市販の競馬AI予想はなぜ当たらない・儲からないのですか?
多くが「どの馬が1着になるか」を当てにいっているからです。競馬は控除率が約20〜25%あるため、よく当たるだけでは確実に負けます。人気馬を当て続けても、払戻が安ければ資金は減っていきます。加えて、学習に使っているデータそのものに問題があることも少なくありません。
競馬AIには何を予測させるべきですか?
着順ではなく確率です。各馬が勝つ確率・3着以内に来る確率を出し、それをオッズと突き合わせて「オッズの割に来すぎている馬」=期待値の高い馬を探します。ただし「期待値1位を買えば儲かる」という単純な話ではなく、単勝と複勝でも性質がまるで違います。
競馬新聞の印をAIに学習させるのは有効ですか?
やめたほうがいいです。筆者は実際に試して収支が崩壊しました。AIは楽をしたがるので、印という「他人の答え」があるとそれに寄りかかり、自分で考えなくなるからです。
検証で回収率122%のような良い数字が出たら、どうすればいいですか?
喜ぶ前に疑ってください。経験上、良すぎる数字のほとんどは実力ではなくバグかリーク(AIがうっかりレース結果を先に見てしまっている状態)です。実例として、同着の馬の並べ方が着順データの並び順に依存していただけで、回収率122%が76%まで崩れました。数字そのものより、その数字がどう測られたかのほうが100倍大事です。
回収率の高いロジックさえあれば勝てますか?
勝てません。回収率120%のロジックを持っていても、賭け方を間違えれば全額失います。いくら賭けるかという資金配分は、予想精度と同じくらい重要なのに驚くほど語られていません。筆者は本命(◎)も的中率ではなく回収率で選び、金額配分も機械的に決めています。
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