こんにちは、横けんです。
出馬表で騎手名の横に「▲」や「☆」が付いている減量騎手。平場のレースでは斤量が1〜4kg軽くなるので、軽さを武器に人気薄で突っ込んでくることがあります。
ところが、特別戦や重賞になると話が変わります。減量騎手でも、特別戦・重賞では減量がありません。ほかの騎手と同じ斤量で乗ります。
軽さという武器がなくなったら、残るのは経験の浅い騎手です。減量で乗れない時の減量騎手は、軽視でいいのではないか?あなたも、特別戦で減量騎手の馬をどう扱うか迷ったことはありませんか?そう思って、10年分のデータで確かめました。
確かめた疑問はこの3つです。
- 減量騎手が減量なしで乗ると、回収率は下がるのか?
- 同じ人気の段どうしで比べても、減量なしの減量騎手は悪いのか?
- いつも何kg減の騎手が、減量なしの時に特に危ないのか?
後半では、減量騎手のマークの意味と、この結果をAIの材料に使えるかも書いています。
この記事は、馬王のデータで2016〜2025年の中央競馬の平地のレース(障害を除いたふつうのレース・463,437頭)を調べ、単勝回収率・複勝回収率で確かめた結果です。
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この記事の要点
- 減量騎手が減量なしで乗ると、回収率は下がるのか?→ 下がります。減量なしの減量騎手は単勝回収率63.8%・複勝回収率67.6%。同じ「減量が使えないレース」に乗ったほかの騎手は単勝75.9%・複勝75.4%です。10年のうち9年で同じ向きでした。
- 同じ人気の段どうしで比べても悪いのか?→ 1〜3番人気から10番人気以下まで、4つの段すべてで単勝・複勝とも下でした。人気が下がれば成績が落ちるのは当たり前なので、人気の段ごとに比べています。
- いつも何kg減の騎手が特に危ないのか?→ いつも3kg減(▲)の騎手は複勝回収率58.4%、女性騎手(◇)は38.8%と大きく下がります。いつも1kg減(☆)の騎手は71.3%で、下がり方は小さめです。
結論:特別戦・重賞で減量騎手が乗る馬は、軽視でいい。とくに、ふだん▲(3kg減)・★(4kg減)や◇(女性騎手の2kg減)で乗っている騎手は、人気でも割り引いて考えます。
減量騎手とは?マークの意味は?
減量騎手とは、経験の浅い騎手が乗る馬の斤量を軽くする決まりで、斤量が軽くなる騎手のことです。減量があるのは、ほとんどがJRAの決まりで「見習騎手」と呼ばれる騎手で、ふつうは見習い騎手とも言います。◇の女性騎手のように見習期間を終えても減量が続く騎手もいるので、この記事では見習い騎手を含めて「減量騎手」と書きます。減量の重さは、減量があるレースの出馬表で、騎手名の横のマークで分かります(特別戦・重賞ではマークは付きません)。
- ☆=1kg減
- △=2kg減
- ▲=3kg減
- ★=4kg減(女性の見習騎手)
- ◇=2kg減(見習期間を終えた女性騎手)
この減量が使えるのは、平場のレース(特別戦・重賞ではないレース)だけです。特別戦・重賞では、マークのある騎手もほかの騎手と同じ斤量で乗ります。念のため実際のデータでも確かめました。女性騎手が特別戦で乗った馬は、同じレースの同じ性別・年齢の馬とほとんど同じ斤量で、平場では2〜4kg軽くなっていました。
減量騎手が平場で減量ありで乗った馬の話は、前回の「減量騎手が乗る馬は不利説を検証」で書きました。今回はその続きで、減量が使えない時の話です。
減量騎手が減量なしで乗ると、回収率は下がるのか?
比べ方から書きます。減量騎手が減量なしで乗るのは、ほとんどが特別戦・重賞です。特別戦・重賞は平場よりクラスが上で、回収率のふだんの水準も違います。そこで、比べる相手は同じ「減量が使えないレース」に乗った、ほかの騎手にしました。ここでの「減量騎手」は、そのレースの前後30日以内に減量ありで乗ったことがある騎手です。
▼ 2016〜2025年の中央の平地で、減量が使えないレース(特別戦・重賞など)に乗った騎手だけを数えた表です。灰色の行が比べる相手です。
| 頭数 | 勝ち | 3着以内 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 減量騎手(減量なし) | 13,014頭 | 496勝 | 1,755頭 | 63.8% | 67.6% |
| ほかの騎手 | 123,973頭 | 9,928勝 | 29,277頭 | 75.9% | 75.4% |
色の見方(比べる相手=灰色の行):濃い赤=10%以上良い/薄い赤=良い/薄い青=悪い/濃い青=10%以上悪い
減量なしの減量騎手は、単勝回収率63.8%・複勝回収率67.6%。ほかの騎手の75.9%・75.4%より、どちらもはっきり下でした。年ごとに見ても、10年のうち単勝は9年、複勝は9年で同じ向きです。説のとおりでした。
では、減量がある時はどうなのでしょうか?同じ騎手たちが平場で減量ありで乗った時と並べます。
▼ 2016〜2025年の中央の平地で、減量が使えるレース(平場)に乗った騎手だけを数えた表です。灰色の行が比べる相手です。
| 頭数 | 勝ち | 3着以内 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 減量騎手(減量あり) | 82,156頭 | 3,866勝 | 12,415頭 | 69.5% | 69.0% |
| ほかの騎手 | 243,134頭 | 18,997勝 | 55,894頭 | 71.9% | 73.5% |
減量ありの時は、単勝回収率69.5%・複勝回収率69.0%で、ほかの騎手(71.9%・73.5%)との差は小さめです。複勝回収率の差は、減量ありの時が4.5%、減量なしの時が7.8%。軽さがなくなると、差が広がっていました。
同じ人気の段どうしで比べても、減量なしの減量騎手は悪いのか?
ここで人気の段ごとに比べるのには理由があります。人気が下がれば、3着以内に来る数が減るのは当たり前です。人気は馬の強さの目安だからです。減量騎手は人気のない馬に乗ることが多いので、全部をまとめて比べると「減量なしだから悪い」のか「人気のない馬が多いから悪い」のかが区別できません。知りたいのは、人気が同じでも、減量なしの減量騎手は下なのかです。
▼ 2016〜2025年の中央の平地で、減量が使えないレースに乗った騎手だけを、人気の段ごとに数えた表です。各段の灰色の行が比べる相手(同じ段のほかの騎手)です。
| 人気の段 | 頭数 | 勝ち | 3着以内 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1〜3番人気 | 減量騎手(減量なし) | 1,230頭 | 200勝 | 513頭 | 73.8% | 75.0% |
| ほかの騎手 | 29,914頭 | 6,468勝 | 15,362頭 | 78.9% | 81.8% | |
| 4〜6番人気 | 減量騎手(減量なし) | 2,182頭 | 138勝 | 535頭 | 73.0% | 73.7% |
| ほかの騎手 | 28,932頭 | 2,189勝 | 7,981頭 | 79.9% | 78.1% | |
| 7〜9番人気 | 減量騎手(減量なし) | 2,897頭 | 90勝 | 375頭 | 66.2% | 68.5% |
| ほかの騎手 | 26,858頭 | 850勝 | 3,788頭 | 77.0% | 75.8% | |
| 10番人気以下 | 減量騎手(減量なし) | 6,705頭 | 68勝 | 332頭 | 58.0% | 63.9% |
| ほかの騎手 | 38,269頭 | 421勝 | 2,146頭 | 69.7% | 68.1% |
色の見方(比べる相手=灰色の行):濃い赤=10%以上良い/薄い赤=良い/薄い青=悪い/濃い青=10%以上悪い
4つの段すべてで、単勝・複勝とも減量なしの減量騎手が下でした。1〜3番人気でも、複勝回収率は75.0%と、ほかの騎手の81.8%を下回ります。人気になっているから大丈夫、とは言えません。
いつも何kg減の騎手が、減量なしの時に特に危ないのか?
減量騎手といっても、1kg減の騎手と4kg減の騎手では経験がまるで違います。そこで、そのレースの前後30日に、いちばん多く使っていた減量の重さで分けました。
▼ 2016〜2025年の中央の平地で、減量が使えないレースに乗った減量騎手だけを、いつもの減量の重さごとに数えた表です。いちばん下の灰色の行は、同じレースに乗ったほかの騎手です。
| 頭数 | 勝ち | 3着以内 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
|---|---|---|---|---|---|
| いつも1kg減(☆) | 7,668頭 | 332勝 | 1,177頭 | 69.3% | 71.3% |
| いつも2kg減(△) | 2,182頭 | 84勝 | 274頭 | 57.2% | 72.1% |
| いつも3kg減(▲) | 2,459頭 | 62勝 | 230頭 | 61.5% | 58.4% |
| いつも4kg減(★) | 223頭 | 8勝 | 30頭 | 37.0% | 61.3% |
| 女性騎手の2kg減(◇) | 480頭 | 10勝 | 44頭 | 31.1% | 38.8% |
| ほかの騎手 | 123,973頭 | 9,928勝 | 29,277頭 | 75.9% | 75.4% |
色の見方(比べる相手=灰色の行):濃い赤=10%以上良い/薄い赤=良い/薄い青=悪い/濃い青=10%以上悪い
ふだんの減量が重い騎手ほど、減量なしの時の成績が悪くなっていました。いつも3kg減(▲)の騎手は複勝回収率58.4%、女性騎手(◇)は単勝回収率31.1%・複勝回収率38.8%です。いつも4kg減(★)の騎手は223頭しかいないので参考ですが、単勝回収率は37.0%でした。
いっぽう、いつも1kg減(☆)の騎手は複勝回収率71.3%で、ほかの騎手の75.4%より下ですが、差は小さめです。☆まで来た騎手は経験を積んでいるので、減量がなくても大きくは崩れないということだと思います。あなたの感覚とも合っていますか?
いつも3kg以上減の騎手は、人気でも軽視でいいのか?
▼ 2016〜2025年の中央の平地で、減量が使えないレースに乗った「いつも3kg・4kg減」の騎手だけを、人気の段ごとに数えた表です。各段の灰色の行が比べる相手(同じ段のほかの騎手)です。
| 人気の段 | 頭数 | 勝ち | 3着以内 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1〜3番人気 | いつも3〜4kg減の騎手 | 175頭 | 20勝 | 63頭 | 60.4% | 71.0% |
| ほかの騎手 | 29,914頭 | 6,468勝 | 15,362頭 | 78.9% | 81.8% | |
| 4〜6番人気 | いつも3〜4kg減の騎手 | 342頭 | 16勝 | 72頭 | 59.7% | 65.1% |
| ほかの騎手 | 28,932頭 | 2,189勝 | 7,981頭 | 79.9% | 78.1% | |
| 7〜9番人気 | いつも3〜4kg減の騎手 | 577頭 | 22勝 | 59頭 | 84.1% | 52.5% |
| ほかの騎手 | 26,858頭 | 850勝 | 3,788頭 | 77.0% | 75.8% | |
| 10番人気以下 | いつも3〜4kg減の騎手 | 1,588頭 | 12勝 | 66頭 | 50.3% | 58.1% |
| ほかの騎手 | 38,269頭 | 421勝 | 2,146頭 | 69.7% | 68.1% |
色の見方(比べる相手=灰色の行):濃い赤=10%以上良い/薄い赤=良い/薄い青=悪い/濃い青=10%以上悪い
1〜3番人気でも、複勝回収率は71.0%で、ほかの騎手の81.8%を大きく下回ります。複勝回収率は4つの段すべてで下でした。ただ、7〜9番人気の単勝回収率だけは84.1%で、ほかの騎手の77.0%より上でした。577頭で22勝しています。ただし3着以内は59頭で、ほかの騎手(26,858頭で3,788頭)より割合が低く、複勝回収率は52.5%でした。勝つか大きく負けるか、という乗り方になっているのかもしれません。それでも全体としては、ふだん▲・★で乗っている騎手が特別戦に出てきたら、人気でも割り引いて考えるのがよさそうです。
出馬表を見たら、どうすればいいのか?
- 特別戦・重賞で、ふだん減量で乗っている騎手(前の週まで☆△▲★◇が付いていた騎手)が乗る馬は、まず割り引く
- ふだん▲(3kg減)・★(4kg減)・◇(女性騎手)で乗っている騎手なら、人気でも大きく割り引く
- ふだん☆(1kg減)の騎手なら、割り引きは軽めでいい
特別戦の出馬表には減量のマークが付かないので、見落としやすいところです。前の週の平場でマークが付いていたかを思い出すのが、予想のコツです。
AIの材料に使えるか?
「この騎手はふだん減量で乗っているか」と「このレースで減量が使えるか」は、どちらも前日までに分かります。レースの結果を使っていないので、AIの材料に入れても問題のない情報です。私の予想AIに入れて上乗せがあるかは、これから検証します。結果が出たら、この記事に追記します。
よくある質問
減量騎手は特別戦・重賞でも減量がありますか?
ありません。☆△▲★◇の減量が使えるのは平場のレースだけで、特別戦・重賞ではほかの騎手と同じ斤量で乗ります。
減量騎手が減量なしで乗る時は軽視でいいですか?
軽視でいいと言えます。2016〜2025年で、減量なしの減量騎手は単勝回収率63.8%・複勝回収率67.6%。同じレースのほかの騎手(75.9%・75.4%)より下で、人気の4つの段すべてで同じ向きでした。
どの減量騎手が特に危ないですか?
ふだん▲(3kg減)・★(4kg減)や◇(女性騎手の2kg減)で乗っている騎手です。減量なしの時の複勝回収率は、いつも3kg減の騎手が58.4%、女性騎手が38.8%でした。
まとめ
- 減量なしの減量騎手:単勝回収率63.8%・複勝回収率67.6%(ほかの騎手は75.9%・75.4%)
- 人気の4つの段すべてで、単勝・複勝とも下
- いつも3kg減の騎手は複勝回収率58.4%、女性騎手は38.8%、いつも1kg減の騎手は71.3%
減量騎手が減量で乗れない時は軽視でいい説は、説のとおりでした。とくに、ふだんの減量が重い騎手ほど、特別戦では割り引いて考えるのが正解です。
逆に言えば、特別戦で減量騎手の馬を軽く見るだけで、買い目を1頭ぶん絞れます。点数が減れば、そのぶん本命に厚く張ることができます。これだけで、あなたの特別戦の回収率は確実に上向くはずです。
こういう「なんとなくそう思う」を、10年分を1頭ずつ数えて確かめるのは手間がかかります。その手間は私が先に引き受けて、これからもこのブログで説の検証をお届けしていきます。あなたが確かめてほしい説があれば、ぜひ教えてください。




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