初めましての方、こんにちは!毎週150万円の実弾を馬券に突っ込む男、横けんです。
2026年7月25日から、私の予想システムの“頭脳”をAI「Claude Opus 5(クロード・オーパス5)」に入れ替えました。今日は、そのOpus 5を実際の開発現場で使い倒した正直な感想と、この体制だからこそできた「自分で見つけた“回収率122%の必勝サイン”を、自分の手で捨てた話」をします。読み終わる頃には、世の中にあふれる「回収率◯◯%!」という数字の見方が、きっと変わっているはずです。
先に種明かしをすると、私の開発現場はAIの二段構えです。毎日コードを書いて検証を回す実務担当が「Claude Opus 5」(Claude Codeという道具として動かしています)。そして、その仕事に間違いがないかを容赦なく審査する門番役が、さらに上位のモデル「Fable5」。この2枚看板でやっています。
▶ 私が毎週150万円を賭けながら3年かけて作った競馬予想AIの全体像は、「競馬予想AIの作り方・完全ガイド」に最初から順にまとめています。
この記事の要点(先に結論)
- 自分で見つけた「回収率122%の必勝サイン」を、自分の手で捨てました。原因は、同着の馬の順位づけが着順データの並びに依存していたこと=リーク(答えの盗み見)です。
- その1か所を直した瞬間、回収率122%は76%へ崩壊しました。
- 同じように、ある複勝の買い目は102%(黒字)→ 71%(赤字)。オッズをざっくり平均で概算していたのが原因でした。
- 逆に「成績が悪化した」という数字も誤りでした。同一条件の12,645頭で新旧を直接対決させると、新しいモデルのほうが同等以上。危うく良いデータを捨てるところでした。
- 最新のAIでも間違えます。複勝のルール(7頭以下は2着まで)を2回続けて取り違え、汚れた数字を平然と報告してきました。賢くなるほど、間違いも「もっともらしい顔」になります。
初回公開: 2026年7月29日 / 最終更新: 2026年8月4日。数字はすべて筆者の開発現場での実測値です。
Claude Opus 5を競馬予想の開発現場で使い倒して分かったこと
まず率直な感想から、飾らずに書きます。とんちんかんなことを言わなくなった。ミスが減った。そして何より、頼りになる。——使ってみての実感は、この3つに尽きます。
これ、地味に聞こえるかもしれませんが、実際に毎日AIと組んで開発している人間には、とてつもなく大きい変化です。こちらの意図を外した見当違いの回答が返ってくると、その説明と手直しで平気で1時間溶けますから。1つ前のモデル(Claude Opus 4.8)でも十分すごかったのですが、Opus 5は面倒な手順を、途中で投げずに最後まで運び切る力が段違いでした。「作業をやらせる相手」から「仕事を任せる相手」に変わった、という感覚です。
入れ替えてから最初の5日間(2026年7月25日〜29日)で片付いた大きなものだけ、挙げます。
- 日曜の“材料集め”が全自動に:これまで私が手作業でやっていた、特別登録から18レース分の出走馬データを競馬ソフトTARGETから取り出す作業。これをAIが18レース全部・約11分で終わらせるようになりました。しかも頭数279頭が1頭単位で合っているかまで自分で照合します。
- X(旧Twitter)への投稿と的中報告が通った:7月26日、AIによるXへの実投稿が初めて成功。レース後に自分で結果を見に行き、「本命1着、2番手2着、4番手が3着でした!」と払戻画像つきでリプライするところまで自動で動きました。
- noteの有料記事をAIが一発公開:毎週恒例の「今日のWin5対象レース予想」(¥1,490)を、下書きではなく公開までAIが実行(7月26日 6:49)。AIにnoteを実公開させた第1号です。
- 898本のプログラムに“地図”ができた:長年で膨れ上がった自作プログラム898本の索引をAIが自動生成。「同じ道具を二度作る」という一番アホな無駄が消えました。
- 予想の材料が本番で消えていたバグを発見・修理:厩舎コメントから作った12個の指標が、実は本番の予想では全頭“空っぽ”になっていました。その原因を突き止めて修理し、過去25万8,383行が修理の前後で完全に一致することまで確認済み(=直したい所だけが直っている証拠)。
- 複勝の払戻データが100%揃った:欠けていた過去の複勝払戻を集め直し、対象18,860レース中18,857レース=カバー率100.0%に。検証の土台がようやく固まりました。
正直、ここまでだと「AI万歳!」の提灯記事に見えますよね。でも私が一番お伝えしたいのは、ここから先です。
正直に言います。Opus 5でも、間違えるときは間違える
ただし、「ミスが減った」は「ミスが無い」ではありません。同じ5日間で、こんなこともありました。
7月28日、AIが複勝のデータを整理していたときのことです。複勝は出走が7頭以下なら「2着まで」しか払い戻されない——競馬ファンなら当たり前のこのJRAのルールを、AIは2回続けて取り違えました。その結果、少頭数のレースを片っ端から「データが欠けている」と誤判定し、あろうことか「全馬の複勝率は26.9%ではなく19.1%でした」という“汚れた数字”を、平然と私に報告してきたのです。
もう1つ。7月26日、新しい公開の仕組みを実戦に投入した日。出すべきものは最終的に全部出せましたが、ボタンひとつで最後まで完結した回はゼロ。毎回どこかで止まり、私が手で補いました。
つまり、最新AIは確かに速いし賢いし頼りになるけれど、間違えるときは実にもっともらしい顔で間違える。むしろ賢くなったぶん、間違いも“それっぽく”なって見抜きにくい。ここを分かっていないと、馬券では確実に損をします。だから私は、AIが出してきた数字を絶対に鵜呑みにしません。ここからが本題です。
“儲かりすぎる数字”は、まず疑え
新しい予測サイン(特徴量)を過去データでテストして「回収率120%超え!」なんて数字が出たら、普通は小躍りしますよね。でも私は逆に、思い切り身構えます。
長年AI開発をやってきて痛感したのは、“良すぎる数字”のほとんどは実力ではなく、「バグ」か「リーク」だということです。リークとは、ざっくり言うとAIがうっかりレース結果(答え)を先に見てしまっている状態のこと。テストの前に答えを覗いていたら、そりゃ回収率は跳ね上がりますが、本番では絶対に通用しない“まぼろし”です。
【本題】回収率122%が、たった1行の修正で76%に崩壊した
つい最近、あるサインをテストしたところ、単勝の回収率が「122%」と出ました。一瞬、「ついにすんごいお宝を見つけた!」と震えました。
しかしここで、審査役のAI「Fable5」にコードの中身を徹底的に洗わせました。すると犯人は「同着(同点)だった場合の、馬の順位の付け方」に潜んでいました。
プログラムが馬に順位をつける際、同点の馬の並び順を、たまたま「実際の着順データの並び」に依存して決めてしまっていたんです。つまり順位をつける段階で、こっそり着順(=答え)を使っていた。これが恐ろしいリークの正体です。
そこで、順位の付け方をたった1か所だけ、着順の並びに依存しない方式に直しました。答えを覗けなくした瞬間、回収率は122%から76%へと真っ逆さまに崩壊。“必勝サイン”の正体は、ただのカンニングだったわけです。そのまま150万円を突っ込んでいたら…と思うと、今でもゾッとします。

数字は、出し方ひとつで簡単に嘘をつく
こうした“見かけの黒字”は、他にもありました。下のグラフと表を見てください。私が実際に「これは儲かる」と思った数字が、正しく測り直したらどうなったかです。

| 見つけたサイン | 最初に見えた数字 | 正しく測り直した数字 | 正体 |
|---|---|---|---|
| 単勝の“必勝サイン” | 回収率 122% | 回収率 76% | 着順の“盗み見”(リーク) |
| ある複勝の買い目 | 回収率 102%(黒字) | 回収率 71%(赤字) | オッズを“ざっくり平均”で概算していた |
2つ目は、リーク(バグ)ではなく「測り方」の問題でした。オッズのざっくりとした平均で計算すると102%の黒字。でもJRA-VANの実際の払戻データできっちり計算し直すと、本当は71%の赤字だったんです。間違った数値を信じて勝負していたら、毎週確実にお金が減っていくところでした。
逆に「悪くなった」という数字にも騙されるな
逆のパターンもあります。先日、あるAIモデルの成績が「先週より悪化した」というデータを出し、一瞬「原因の特徴量を抜かなきゃ」と焦りました。しかしFable5と調べ抜いた結果、その“悪化”はただの見かけ上のブレ。旧モデルと新モデルを、同じ条件の12,645頭で公平に直接対決させると、新しいモデルの方が同等か、むしろ良くなっていたんです。数字を鵜呑みにしていたら、せっかくの良いデータを自分で捨てる、真逆の失敗をするところでした。
「じゃあ、お前の予想は信用できるのか?」
ここまで読んで、こう思った方がいるかもしれません。「そこまでバグやリークが出るなら、その予想自体、大丈夫なのか?」と。答えは、むしろ逆です。私は“良すぎる数字”を片っ端から疑い、叩き潰しているからこそ、生き残った数字だけを信じて実弾を張れるのです。
私は「たった1個で回収率150%!」のような魔法の指標は信じていません。独立した“地味に効く綺麗なサイン”を何百個と束ね、トータルの回収率を100%の壁の向こうへ押し上げる。その一本一本を、Fable5という門番が「本物か、まぐれか、答えを覗いていないか」と容赦なく審査する。実務のOpus 5が速く大量に作り、上位のFable5がそれを疑う。この二段構えだからこそ、私は安心して次のサインを探しに行けます。
そして、この厳しい検証を毎週くぐり抜けたAIが、実際に今週どう予想したのか——それはこちらのAI予想記事で公開しています。“派手すぎない、正直な数字”がどんなものか、ぜひ一度のぞいてみてください。
まとめ:AIが最新になるほど、「疑う仕組み」が要る
Claude Opus 5を実際の現場で使い倒してみて、はっきりしたことが2つあります。1つは、面倒で人手のかかる作業は、もう本当にAIに任せていいということ。もう1つは、賢くなったぶん、間違いも“それらしく”なるということです。
世の中には「回収率150%!」といった景気のいい数字があふれています。でも私が一番お伝えしたいのは、その数字が“どうやって測られたか”のほうが、数字そのものより100倍大事だということ。
毎週150万円を実弾で張る私がやっているのは、派手な必勝法づくりではなく、「自分の見つけた良すぎる数字を、AIで叩き潰す」という、ひたすら地味で正直な作業です。偽の必勝法に騙されないこと。それが、長く勝ち続けるための一番の近道だと、私は確信しています。
「儲かるはずだった数字」が崩れた実例(引用用)
| 見つけたサイン | 最初に見えた数字 | 正しく測り直した数字 | 正体 |
|---|---|---|---|
| 単勝の“必勝サイン” | 回収率 122% | 回収率 76% | 同着の順位づけが着順データの並びに依存=着順の盗み見(リーク) |
| ある複勝の買い目 | 回収率 102%(黒字) | 回収率 71%(赤字) | オッズを平均で概算していた。実際の払戻データで計算すると赤字 |
| あるモデルの“成績悪化” | 先週より悪化 | 同等以上(12,645頭で直接対決) | 見かけ上のブレ。抜こうとした特徴量は無実だった |
よくある質問
検証で「回収率122%」のような良い数字が出たら、どうすればいいですか?
喜ぶ前に疑ってください。経験上、良すぎる数字のほとんどは実力ではなく、バグかリークです。実例として、同着の馬の順位づけが着順データの並び順に依存していただけで、122%が76%まで崩れました。そのまま実弾を張っていたら大きな損になっていました。
リーク(答えの盗み見)とは何ですか?
AIがうっかりレース結果を先に見てしまっている状態です。テストの前に答えを覗いていれば回収率は跳ね上がりますが、本番では絶対に通用しません。今回の例では、順位をつける段階で着順データの並びを使ってしまっていたのが原因でした。
リークがなければ、数字は信用していいですか?
いいえ。「測り方」でも数字は簡単に嘘をつきます。ある複勝の買い目は、オッズをざっくり平均で概算すると回収率102%の黒字でしたが、実際の払戻データで計算し直すと71%の赤字でした。バグがなくても、計算のやり方だけで黒字と赤字がひっくり返ります。
「成績が悪くなった」という数字は信じていいですか?
これも疑うべきです。あるモデルが「先週より悪化した」というデータが出ましたが、同一条件の12,645頭で新旧を公平に直接対決させると、新しいモデルのほうが同等以上でした。悪い数字を鵜呑みにすると、良いデータを自分で捨てるという逆方向の失敗をします。
最新のAIを使えば、こうした間違いは減りますか?
減りますが、なくなりません。実際に、複勝は出走7頭以下なら2着までしか払い戻されないという基本ルールを2回続けて取り違え、少頭数のレースを片っ端から「データが欠けている」と誤判定した例があります。賢くなったぶん、間違いも「それらしく」なって見抜きにくくなります。
では、どうやって数字を守るのですか?
作る側と疑う側を分けています。実務を担当するAIが大量に作り、それとは別の上位モデルが「本物か、まぐれか、答えを覗いていないか」を審査する二段構えです。門番がいるからこそ、安心して次のサインを探しに行けます。
結局、いちばん大事なことは何ですか?
その数字が「どうやって測られたか」のほうが、数字そのものより100倍大事です。世の中には「回収率150%」といった景気のいい数字があふれていますが、測り方を確かめないまま信じると、確実に損をします。
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